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自宅でできるストレッチ

(一般社団法人 地域ウェルネス・ネットより)

福岡永告子先生
ウェルネス・ネット代表
福岡永告子(ふくおかえつこ)先生

 

3歳からの子どもを対象としたヨガ(2025年4月号)

子育て中でも運動する時間を確保
「3歳からの子どもを対象としたヨガ」

 

難易度の高いヨガに挑戦

 今回ご紹介する子どもと一緒にできるヨガは前回より強度や難易度が高くなっていますが、幼稚園や保育所、親子運動セミナーでも3歳からの子ども達を対象に実施しています。前回のポーズより難しそうに見えるので、はじめから「できない~」「むり~」という声が上がります。大人にとってもハードルが高いポーズなのですから、当然です。「チャレンジしよう!」「トライしてみよう!」と声をかけます。

 親子ヨガや子どもヨガは決められたポーズを完璧にやるのが目的ではなく、さまざまなポーズや呼吸法を通じて、バランス感覚、柔軟性、筋力などの身体能力を向上させること、そして頭の中を空っぽにすることにあります。とはいっても、静止した状態で体と呼吸を観察したり、じっと座って余計なことを考えないようにしたりするのは難しいものです。

 そこでヨガでは、体をねじったり、反ったり、伸ばしたりあらゆる動きを取り入れます。特に難易度の高いヨガのポーズ中は脳に指令を出して体を動かすのに精いっぱいになるので、頭を空っぽにしやすくなります。

 実際、子どもたちは果敢にトライしていきます。自分の体に向き合い、集中していきます。そして少しずつヨガらしいポーズに‼最初は全然できなくても、あきらめないでトライしたら形になる、それが子ども達それぞれの「できた!」なのです。

 「できないことができるようになる喜び」が楽しみや、やりがい、自己肯定感につながっていきます。

 

未就学児に動きの経験を

 小学校でみられる運動の得意、不得意の差は未就学児にその運動に近い体の動かし方を経験しているかどうかによって決まってくるといわれています。

 私たち人間は最初に頭が大きくなり、幼児期は脳の中に神経がどんどん張り巡らされます。この時期にさまざまな動きに挑戦すると、脳神経の道筋に活発に電気が通って、その動作が記憶されるようになります。『同じ道筋に電気が通ると、同じ動きが思い出される』というのが記憶の仕組です。経験した動きの種類が多ければ多いほど運動への苦手意識を持たずにスポーツを楽しめるようになります。

 

「走る」と「ヨガ」を組み合わせた運動遊び

 この年代の子ども達には、遊びを通じて体の動かし方を覚えさせてあげる工夫をしています。教室では「走る」と「ヨガ」を組み合わせた「運動遊び」をプログラムにとりいれています。

 まず、子ども達を自由に走らせます。「ヨガ!」と合図をして、子ども達にはおのおの自分のヨガのポーズをしてもらいます。「ハイ‼」の合図でまたぐるぐると走ります。慣れてきたら少しずつ指示を細かくして「床ヨガ」とか「立ったヨガ」と指示をだします。

 また難易度をあげ「その場ジャンプ3回」とか「ヨガの片脚立ちポーズ」など遊びながら運動の質も量もあげていきます。

 鬼ごっこのように走る、かわす、瞬発力、持久力、判断力のトレーニングにもなります。

 今回はヨガの紹介です。大人も一緒に行って十分効果の期待できるポーズです。また、最初はうまくできなくても、続けるうちに、バランスがとれるようになったり、長くポーズをとることができるようになったりしますので、親子でコミュニケーションをとりながら、試してみてください。

 

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「子どもと一緒に楽しめるヨガ」(2025年3月号)

 

慢性的なストレスからくる浅い呼吸

 育児は24時間、365日休みなしで、想定外のことが次々と起こります。
 家事が進まない、子どもが泣き止まない、思い通りに物事が進まない、時間が常に不足している、これらはたくさんのママ達が抱えている悩みではないでしょうか。
 慢性的なストレスや疲労は‶浅い呼吸″になってしまう原因の一つです。
 浅い呼吸になると疲労を感じやすくなります。
 体内に取り込まれた酸素は、疲れや疲労の原因となる血中乳酸を分離したり処理したりする働きがあるといわれています。そのため、浅い呼吸によって体内の酸素が不足している状態では、酸素が満足に体内に供給されている状態と比較し、血中乳酸の処理速度が低下する可能性があります。その結果、疲労を感じやすくなってしまうと考えられています。

 

おうち時間にヨガを取り入れてみませんか

 専門的な道具を用意しなくても、体一つで始められるヨガをお勧めします。ヨガは呼吸と体の動きを連動させることで心身を整えていきます。大きく深く呼吸することでリラックス効果も期待できます。お子さんを側においてママだけでもできるし、一緒にもできます。キッズヨガスクールでは4歳からのクラスが多いのですが、幼稚園に出向く運動教室では‶年少さん″からヨガを準備運動の一部として取り入れています。
 親子セミナーでヨガを取り入れる場合は「できることをゆっくりしていきましょう」 「見ているだけで脳にインプットされます。 無理やりやらせようとしないで、ご自身の動きをみせるように動いてください」と伝え、‶ママだけヨガ″も推奨しています。

 

子どもの運動能力の発達のために

 3歳から12歳というのは子どもの運動能力を発達させる大切な時期だと言われています。この時期にヨガを行うことによって、運動不足の解消、身体能力を養う、口呼吸の改善など様々な効果が期待できます。ヨガには有酸素運動や筋力トレーニングといった各要素のバリエーションが豊富に含まれているため、外出しなくてもある程度の運動量を確保することができます。
具体的なヨガのメリットです。

・運動能力が高まる

 ヨガのポーズではバランス感覚や柔軟性といった運動をする際に欠かせない能力を自然と身に付けることができます。そのため体の使い方も分かるようになり、様々なスポーツに対応できるような土台を作ることができます。

・競争がない

 またヨガには競争がありません。
 誰かと比べられることなく、それぞれ自分のペースで体を動かすことを楽しめます。
 運動に苦手意識を持っている子ども達も安心感を持って取り組めます。
 無理せずに、ヨガを取り入れながら子どもと一緒にいる時間を大切にしてください。

 

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立ち上がりが楽になる体操(2025年2月号)

高齢期の椅子からの立ち上がりに注意「立ち上りが楽になる体操」

 

高齢期の立ち上がりは転倒の危険も!

 介護予防教室の中で「以前は当たり前にできていた椅子からの立ち上がりが難しくなった。」という声をよく聞きます。立ち上がり動作は生活する上でほぼ100%といっていいほど必要な動作になります。この立ち上がり動作が不自由になってくると、移動するのが大変になり、生活範囲が椅子の周辺になってしまいがちです。すると、立ち上がる機会が減り、さらに立ち上がりにくくなるといった悪循環に陥ってしまいます。さらに、転倒や椅子からの転落にも繋がり、股関節や骨盤の骨折を起こしてしまう原因となり得ます。そうならないためにはどうしたらいいのか?が今回のテーマになります。

 

●TUG(Timed Up and Go )Test

 TUGテストは、歩行速度、椅子からの立ち上がり、方向転換の機能を評価する方法です。カットオフ値や平均値から転倒予測などができるといわれています。

1. 椅子に深く座り、手を膝の上においた状態からスタート
2. 無理のない早さで歩き3m先の目印へ
3. 目印・目標物を回って椅子に戻ってくる
4.椅子に着座する  ※そのかかった時間を計測します。

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センターが作成したTUG測定値のガイドです。

北海道で高齢化率の高いU市の実例

実際に介護予防教室で計測した令和5年U市のケースをご紹介します。

・U市全参加者測定157名 平均年齢80.1歳 測定値7.3秒
・U市M地区測定15名 平均年齢87.6歳 測定値9.5秒
・U市K地区測定10名 平均年齢87.7歳 測定値10.3秒

 市の全体の参加者を見ると介護予防ガイドでは「普通」、転倒のリスクは高くないという結果になりました。
 また、地域に出向いた2地区では、平均年齢が上がった分、介護予防ガイドでは「少し悪い」という結果ですが、転倒のリスクに関しては大丈夫な範囲におさまっています。
介護予防レベルで「悪い」、そして転倒リスクが高いという結果になった2例です。

・Aさん(女性)93歳18秒→94歳23.8秒→96歳測定不可(R6)

・Bさん(女性)84歳20秒→87歳12.6秒→88歳10.1秒 (R6)

 年を重ねると、歩行が安定せず、自立歩行が無理になるケースもありますが、運動教室には参加されています。
また、年を重ねても運動を継続していくうちに、体力が戻る例もあります。
大切なことは、測定の結果を受けて、立ち上がり、歩行、方向転換、着座の動作のどこに問題があるのか、ないのかを知り、対応していくことだと思います。

 

立ち上がりが楽になる体操と個人別運動プログラム

 「立ち上がりが楽になる体操」と「体幹とバランスの体操」、そして、安全な「立ち上がりの動作」をご紹介します。試してみてください。 また、測定後結果を踏まえて、個人別のプログラムも作成しています。AさんBさんのプログラムです。継続は力です。ゆっくり年齢を重ねていってほしいと願います。

 

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裸足でバランス・エクササイズ(2025年1月号)

「二の腕・背中を引き締めるエクササイズ」と「ウエスト・お尻を引き締めるエクササイズ」

 

全身の筋肉はつながりあって動いている

 姿勢を保ったり、体を動かしたり、意識的に動かすことのできる「骨格筋」は400種類もあるといわれています。そして人間の体は「張力」により全身の骨格筋が〝連動性〞をもって動いています。上半身を安定させるには体幹や下半身の筋力が必要ですし、下半身を安定させ効率よく動くにも上半身のパワーが必要不可欠です。

 例えば腕を振らないと速く走ることができないのは、誰もが経験的に分かっていることだと思います。それは腕振りのパワーが、下半身を素早く力強く動かすために役立っているからです。細かくいうと、腕を前から後ろに振る力は、その側の骨盤や脚を前に引き出すのに役立ちます。また、腕を後ろから前に振る力は、特に地面の下方向に力を伝えたり、接地中に上半身を前に進めたりする(速く走る)のに貢献しています。

 このように上半身、体幹、下半身の筋肉がバランスよく連動すれば、パフォーマンスの向上となるだけではなく、動きやすく疲れにくい体にもつながっていきます。

 

全身のバランスを保つためのセンサー

 今回ご紹介する「バランス・ストレッチ」では、できれば裸足で行ってみてください。
 靴を履いているときには通常使われない筋肉や筋肉群が活性化されます。この筋肉の活性化の増加により、筋力とバランスの向上につながります。
 足の裏には、メカノレセプターという感覚受容器があり、地面の情報を脳に伝えるセンサーの役割をしています。地面の凹凸や滑り、材質、傾きなどの情報を脳に伝えます。
 脳はその情報をもとに歩いたり、立ったりします。通常うまく作動していれば、足裏の情報を脳に伝えながらうまく体のバランスを保っています。
 ただ、このメカノレセプター、使わないと感度が低下してしまいます。 このメカノレセプターの働きが鈍くなると、立位での安定性や姿勢、運動時の安定性も減少します。感度を良くするために

・足じゃんけんのグーチョキパー

・ゴルフボールを足の裏で転がす、つかむ

・足の指に手を組み合わせて回すなどいろいろな方法があります。

 足裏のメカノレセプターに適度に刺激が入る、裸足でできるバランス・エクササイズは1つ1つの動きの強弱は自分で調節できます。「二の腕・背中を引き締めるエクササイズ」と「ウエスト・お尻を引き締めるエクササイズ」と2パターンあります。パターンごと1つ1つ分けて動いてもいいですし、強度は高くなりますが、つなげて動いても構いません。
 裸足で全身を動かすことが大切です。ぜひ、試してみてください。
 また、裸足で運動する前に、そのエリアが危険ではないことを確認しましょう。

 

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コーディネーショントレーニング~ボールを使った運動~(2024年11月号)

コーディネーショントレーニング ボールを使った運動

 

幼児期・児童期から始めるコーディネーショントレーニング

 コーディネーションとは、1970年代に旧東ドイツで生まれた、アスリートの運動能力向上のための理論です。コーディネーション(coordination)は、日本語にすると「調整」「一致」といった意味になります。コーディネーショントレーニングは、筋肉を鍛える筋トレとは違い、体の動きや力の加減を調整する「運動神経」を鍛えるトレーニングです。

 子どもの神経系の発達は、生まれてから4~5歳までの成長が著しく、成人の約80%がこの時期までに完成します。12歳ごろまでにはほぼ100%成長するため、神経系が成長途中である子どものうちにコーディネーショントレーニングをすることがより有効だと考えられています。

 

7つのコーディネーション能力を高めるトレーニング

 コーディネーショントレーニングでは7つのコーディネーション能力を高めていきます。

 何かの動作や運動をするときは、7つのうちのいくつかの力がお互いに連動して、体を自分の思ったとおりに動かしています。

・定位能力=相手や味方、ボールなどと自分の位置関係や距離を感じる力、把握する能力

・反応能力=合図にすばやく、正確に対応する能力

・連結能力=関節や筋肉の動きをつなげ、スムーズに動かす能力

・識別(分化)能力=手や足、用具を意のままに操作する能力

・リズム能力=タイミングを計ったり、動きをまねしたり、イメージを表現する能力

・バランス能力=必要な体勢を保つ能力
体勢が崩れたときに、立て直すことができる力であり、不安定な物の上や空中で体勢を保ち、動ける力です。

・変換能力=状況に合わせてすばやく動作を切り替える能力
急な変化に対して、適切な動きをとれる力です。状況判断、身体操作、定位能力、反応能力などが複合的に関わっています。

 

ボールを使ってバランス能力・変換能力向上を目指す

 7つのコーディネーション能力すべてをアップさせる運動として、キャッチボールが挙げられています。野球のボールに限らず、ドッジボールやビニールボールなど、いろいろな大きさや固さのボールを使うことで、効果や面白さに変化が出ます。

 今回ご紹介するボールを使ったプログラムは「ゆらぎの中で重心を探し、動きの中で体を調整する対応力をつける」ことを目的としています。基本の筋肉である足腰や体幹も鍛えられます。コーディネーショントレーニングでは子ども自身が「楽しい」と感じることが最も大切な要素になります。幼児期・児童期は神経系が向上するとても大事な時期です。この時期の運動経験が将来的な運動能力にも繋がっていきます。コーディネーショントレーニングを楽しんでください。

 

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猫背予防体操(2024年10月号)

子どもの「よい姿勢」のつくり方 猫背・ストレートネック

 

子どものうちに悪い姿勢を直そう

 姿勢が悪いと、「だらしない」「行儀が悪い」など見た目が悪いだけではなく、将来的に必ず体のどこかに不調が起こってしまいます。成長期は骨や筋肉が柔らかく変形しやすいため、姿勢の悪い癖が定着しやすいです。また、成長すればするほど筋肉の柔軟性が落ちてくるので、悪い姿勢を直しにくくなります。早期から姿勢改善に取り組むことが重要です。

 

良い姿勢の形を知ろう!

 姿勢が良いかどうか簡単にできる方法は、平らな壁の前に立ち、壁に背中とお尻、かかとをつけます。顎は引いて後頭部が壁につけば、これが立った時の良い姿勢です。後頭部が壁につかない場合はストレートネックの心配もあります。さらに細かいセルフチェックをご紹介します。

①膝を曲げずに手の平が床につくか(もも裏・腰・背中側の筋肉の柔軟性)太ももの裏側の筋肉が柔らかければ座っている時も良い姿勢を保ちやすくなります。

②足の裏を全部床につけて完全にしゃがめるか(足首、膝、股関節の柔軟性・筋力・バランス力)深くしゃがむことができないと、例えば重いものを持ち上げる時にしっかり腰を落とすことができず、ぎっくり腰を起こしやすくなるかもしれません。

③耳の後ろまでしっかりと両腕を上げられるか(頭や首の位置・背中が伸びているかで猫背になっているかわかります)良い姿勢のイメージを持つためにも、自分の体を知ることが大切です。

 

猫背タイプは背骨の柔軟性が必要

 猫背は、背骨から首あたりが前のめりになっているような姿勢のことで、「悪い姿勢」の代表格です。人間の背骨はまっすぐではなく、少し湾曲しているのが健康な状態ですが、猫背になるとこのバランスが崩れます。姿勢のバランスが崩れているせいで、見た目にも元気がなさそうなイメージを与えます。また背中が丸まり胸郭が閉じてしまうため、呼吸が浅くなりそれが長く続くと肺活量が減ってしまいかねません。肺活量が少なければ、疲れやすくなり、スポーツをしたときに持久力不足になるリスクも高まります。

 

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お尻ともも裏の簡単ストレッチ(2024年9月号)

下半身の柔軟性を高める
 お尻ともも裏の簡単ストレッチ

 

お尻の厚く大きな筋肉・大殿筋

 長時間座っていると、お尻の筋肉、大殿筋が圧迫され、血流が低下し筋肉が硬くなります。この筋肉は腰と下半身をつなぎ、骨盤を安定させる大切な役割があるため、硬くなると股関節の動きが悪くなり、歩く・走るといった動作がスムーズにいかなくなります。

 ストレッチで筋肉がほぐれると、座っている時の姿勢をキープしやすくなり、歩く時も股関節が動きやすくなります。また、下半身全体の血流も良くなるので冷えやむくみの軽減効果も期待できます。

 ただ、股関節や膝に疾患のある人、坐骨神経痛のある人は充分注意してください。痛みやしびれを感じたら、無理に伸ばしたりキープしたりしないように「気持ちいい」と感じるところでストップしてください。

 

お尻の上部外側の筋肉・中殿筋

 手を腰に当てた時に触れる部分にある中殿筋は、骨盤や股関節を安定させるために重要な筋肉です。この筋肉が弱くなると、左右に動く動作が苦手になったり、体の軸がぶれて、立っていてもふらついたり、歩く時につまずきやすくなったりします。それは、中殿筋が弱っている側の足が地面に着地した際、骨盤を安定させる中殿筋が耐えられず、上体が傾くからです。

 体のバランスの安定のためにも中殿筋をしっかり鍛えましょう。

 

もも裏の筋肉・ハムストリングス

 ハムストリングスは3つの筋肉の総称で、ももの裏側にある、お尻の坐骨から膝の裏までの長い筋肉です。脚を後ろに引いたり、膝を曲げたりといった動きの際に働きます。

 また、ハムストリングスは肉離れを起こしやすい筋肉なので、スポーツなどの激しい運動をする人はストレッチをして、柔軟性を高めておく必要があります。

 ストレッチをして柔らかくすることで、骨盤を正しい位置に戻して姿勢が改善されるメリットがあり、腰痛予防にもつながります。ただ、ハムストリングスはストレッチをしすぎると※オーバーストレッチになってしまうため注意が必要です。

 痛みを感じるところまで伸ばさないように、反動を使って過剰に負荷をかけないようにしましょう。夏の疲れが出やすい9月です。頑張りすぎないストレッチをお勧めします。

※オーバーストレッチ:筋肉を伸ばしすぎてしまい痛めてしまうこと。

 

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猫背・反り腰・平背改善ストレッチ(2024年8月号)

腰痛を引き起こす3つの悪姿勢
猫背・反り腰・平背改善ストレッチ

 

悪い姿勢が腰痛の原因

 腰痛の原因にはさまざまなものが考えられますが、日頃の姿勢や労働環境が招いてしまう、筋疲労やからだのゆがみも大きく関係しています。
 椅子に座る、立ち上がる、荷物を持ち上げるといった生活の中で行っているさまざまな動作は、筋肉の支えなしには維持できません。ところが、長時間同じ姿勢を続けていると筋肉は強張り、血行が悪くなり、倦怠感や腰に痛みを生じることがあります。
 また、気がつけばいつも猫背になっている、座るときに足を組む、いつも片足に重心をかけて立っているといった姿勢の悪さが腰に負担をかけて痛みとして現れるのも腰痛の一例です。

 

猫背と反り腰

 猫背になると骨盤が後ろに倒れ、お尻周りや腰の筋肉の緊張を引き起こします。この状態が続くと腰の筋肉が硬くなり腰痛のリスクが増加します。また、反り腰は骨盤が前に傾き腰の反りが強い状態です。腰で上半身を支えようとするため腰に大きな負担をかけています。反り腰の腰痛は歩いたり動いたりするときに痛みが出やすくなります。

 

平背(フラットバック)

 猫背や反り腰ではないのに腰痛がつらいときは「平背」の可能性があります。腰痛を引き起こす不良姿勢の1つです。平背は、背骨のS字カーブが失われて背中が平坦になっている姿勢です。背骨は通常ゆるやかなS字の湾曲があり、日常の動作でかかる筋肉や関節へのストレスを分散させています。そのため、生理的湾曲がなくなると筋肉に負担がかかり腰痛や肩こりなどを引き起こしてしまいます。この平背の人は座っているときに腰痛を訴えるのが特徴です。

 

こまめにストレッチ

 この3つの姿勢の改善策としてこまめなストレッチが有効です。まずは猫背の人は猫背で縮んだ胸を伸ばしましょう。反り腰の人は重心が前に傾くため、太ももの前側(大腿四頭筋)で支えようとして力が入っていますこの硬くなっている大腿四頭筋を伸ばしましょう。平背の人は骨盤が後傾している場合が多く、椅子に座るとお尻の位置が前にずれて腰に負担がかかるためお尻のストレッチをしましょう。今回は巻き肩の改善体操も合わせてご紹介します。体のケアに活用ください。

 

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